舞楽 陵王
舞楽の中では誰もが知っていると言っても過言ではないほど有名な舞になります。陵王は実在していた人物になります。
名前は「高 長恭(こう ちょうきょう)」中国の北斉の王族。眉目秀麗で戦場にて敵味方関係なく見惚れてしまう為、指揮が上がらず戦いにならなかったとか•••
そこで恐ろしい面を付け戦いに挑んだところ大勝を得、その喜びを表したのが舞楽陵王となったと伝われております。おめでたい席で何か舞をと言われれば、陵王となるほど定番の舞楽となっております。
ここまではどの雅楽会でも説明される内容です。
しかし大勝したその後を語られることはまずありません。
戦国の常と言えば治りつくのか分かりませんが、高 長恭は蘭陵王とは言ってもトップでありません。日本で言うなら征夷大将軍が上にいて、その将軍様に疎まれ始めます(高長恭の言動にも何かしらあったようです)。
そしてここで伝わるのが「賜死(しし)」で、これは褒美の一つだそうです。財宝に領地と言ったものと同じで「死」という褒美だそうです。私自身この話しを知った時には、祝いの舞じゃ無いとショックを受けました。舞楽を舞う者にとっては陵王を舞えると言うのは憧れでもあります。陵王を舞うときには、高長恭の栄枯盛衰、人の儚さを感じずにはいられません。
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