再始動の一年
4年ぶりの報恩講お斎
11月21日から28日まで、京都本山興正寺の報恩講が厳修されました。
報恩講は親鸞聖人の命日法要で浄土真宗では一番大切な行事とされています。
その最終日にはお斎(おとき)という食事があるのですが、コロナ過を経て4年ぶりに、このお斎が復活しました。
このような時代劇のような空間でいただくお斎ですが、儀式の一部という側面ももっている食事です。
現在ではだいぶん打ち解けた雰囲気ですが、かつては能楽の仕舞があったり、もっと格式ばっていて、緊張しながら食事したものです。
4年ぶりのお斎をいただきながら、時代に合わせうところはあわしつつ、先人の想いというものは大切にしながら行事や儀式を勤めてまいろうと決意を新たに致しました。
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お笑いの本場で演出を学ぶ
近畿圏での仕事のついでにお笑いの殿堂なんばグランド花月に立ち寄ってきました。
これまでそう何度も足を踏み入れたわけではありませんが、毎度毎度大きな刺激を受けている劇場です。

それぞれの演者のステージが面白いのは言うまでもありませんが、劇場の演出や、演目のテンポ、全体の構成などすべてにおいて満足度が高い劇場です。
私たちも雅楽のステージを構成することがありますが、雅楽という音楽は平安時代の人のテンポ。ただでさえ現代人にはゆったりもったりしたものに感じるものです。それを趣のあるものだなぁと感じてもらえるためにはどういう演出をすればいいのか、劇場やあらゆるステージに足を運ぶことで勉強させていただいております。
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興正寺フェス
師の願い
声明(お経等に節をつけて唱える)の師匠から拝借した天台宗の声明本に『九條錫杖』がある。
盂蘭盆会に施餓鬼法要として「九條錫杖」が用いられるのだが、九條全曲唱誦すれば一時間近く要する曲である。
我々の声明の源流は天台声明であるのだが、師匠は京都大原に通われ天台声明を学ばれた。『九條錫杖』は昭和60年2月9日に購入し、同年3月7日午前大原実光院に於いて学ばれている。声明本に書き込みがあり、「真宗では願生偈にこの節をつけている。永らく法要で使っていないので習礼をしてどこかで使ってみたい。」とある。
『魚山余響』に
「願 生 偈
此本ハ就西本願寺先御門跡三回忌墨譜依懇望以功音錫杖新書之畢
享保十二丁末年二月 日 大僧都 珍雄
右信解院殿御三回忌ノ時ナリ 信順院殿懇望ニ依リ製セラレタルナリ珍雄ハ后ニ城南院大僧正ト申ス幸雄ノ弟子ナリトキヽツタヘタリ」
信解院(本願寺第十四世寂如)三回忌の時に信順院(本願寺第十五世住如)の懇望により享保12年(1727)珍雄が、九條錫杖の譜を願生偈につけている。
近年用いることがない声明曲であるが、師の願いを和鳴会で実現してみたい。
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